2018年6月25日月曜日

■生駒市立病院・福岡徳洲会病院 初の大規模災害訓練 地域の関係機関と連携

https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/1136/article-3.php

2018年(平成30年)6月4日 月曜日 徳洲新聞 NO.1136 一面

生駒市立病院・福岡徳洲会病院
初の大規模災害訓練
地域の関係機関と連携

生駒市立病院(奈良県)と福岡徳洲会病院は、それぞれ災害訓練を実施した。災害マニュアルの確認や職員の危機管理に対する意識・スキル向上が狙い。
次々と来院する傷病者に対応する生駒病院スタッフ 次々と来院する傷病者に対応する生駒病院スタッフ
生駒病院は2015年の開院以来、消防訓練などは行っていたものの、災害訓練は初めて。生駒市や地元の消防隊などが見守るなか、医師、看護師、コメディカル、事務職など120人の職員、さらに傷病者役として40人超の地域の方々も訓練に参加した。

訓練は病院近くで観光バスとワンボックスカーが衝突、多数の傷病者が出たというケースを想定。救急隊からの一報で直ちに遠藤清院長が指揮を執り、災害本部、各災害センターの設置、トリアージ(重症度・緊急度選別)場所の確保、救急患者さんの受け入れ準備などを行った。30分後には救急搬送を受け入れるとともに、独歩で次々と来院する傷病者を正面玄関でトリアージ。院内の各所で多様なケースに多職種が対応した。電子カルテは使用せず検査画像もフィルムで運用、採血結果は手書きで行った。

訓練は2時間で終了。地域の方々と病院職員で訓練を振り返り、災害本部と職員間の連絡・情報共有やトリアージタグの記載など、課題を指摘し合った。

遠藤院長は「人的災害から自然災害まで、あらゆる災害に対応し得る病院になっていくことが当院の使命」と、訓練で学んだことを生かす大切さを強調。訓練の実施に中心的にかかわった越智龍一・放射線科主任(診療放射線技師)も「災害発生時に迅速かつ適切な安全確保と医療救護活動を行うことは、市立病院である当院の責務。地域の方々に必要とされる病院にしていきたい」。

災害対策本部で状況把握に努める福岡病院の海江田令次院長(左から5人目)や永田寿礼・救急センター長(右) 災害対策本部で状況把握に努める福岡病院の海江田令次院長(左から5人目)や永田寿礼・救急センター長(右)
福岡病院は地元の筑紫医師会、春日・大野城・那珂川消防本部、筑紫野太宰府消防組合消防本部、純真学園大学看護学科と連携し、200人規模で総合的な災害訓練を実施。従来、同院は年に数回、院内での訓練を行っていたが、医師会や複数の消防署と訓練を行うのは初。

訓練では、同院職員がトリアージポイントや搬送、災害対策本部など、各所に分かれ対応。日本DMAT(国の災害派遣医療チーム)やNPO法人TMAT(徳洲会医療救援隊)隊員の資格をもつ福岡病院の鈴木裕之・救急科医長が、無線を活用して各所の状況把握や職員の動作確認なども行った。ER(救急外来)では、ウォークインの模擬患者さんのみならず、実際に救急車からストレッチャーで模擬患者さんが運ばれるシミュレーションも実施したりした。

訓練終了後に反省会を実施。情報共有のあり方など、より円滑な連携に向け、意見を出し合った。「当院は一昨年に地域災害拠点病院に指定されたことなどもあり、できるだけ早く地域の関係各所と連携した訓練を実施したいと考えていました」と鈴木医長。今後も継続する意欲を見せた。
 

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