「薬剤師=薬局か病院で働く人」というイメージが強いですが、実はもっとユニークな働き方があります。今回は在宅医療薬剤師と学校薬剤師という、あまり知られていない2つの働き方を紹介します。
在宅医療薬剤師
在宅医療とは
在宅医療とは、通院が困難な高齢者や寝たきりの患者さんに対して、医師・看護師・薬剤師などが自宅や施設に訪問して行う医療サービスです。
「病院に来られない患者さんのところに、医療側が出向く」という考え方です。
在宅薬剤師の仕事内容
① 調剤した薬を患者さんの自宅に届ける 医師に同行して、または単独で患者さんの自宅・施設を訪問します。
② 服薬・薬剤管理の指導を行う 自宅での薬の管理方法・飲み忘れ防止・副作用モニタリングを行います。
③ 多職種と連携する ヘルパー・ケアマネージャー・医師・看護師と情報を共有しながら、患者さんの状態を多角的にサポートします。
在宅薬剤師が必要な理由
高齢化が進む日本では、自宅で最期まで過ごしたいと思う人が増えています。でも、複数の薬を飲んでいる高齢者が自分で管理するのは大変です。
「飲み忘れた」「どの薬を飲んだかわからなくなった」「残薬が大量にある」——こういった問題を解決するために、薬剤師が自宅に訪問します。
また、在宅での終末期ケアでも薬剤師が重要な役割を担います。鎮痛薬・麻薬の管理・患者さんやご家族への説明など、生命の最終段階に寄り添う仕事です。
学校薬剤師
学校薬剤師って知っていましたか?
あなたの学校にも「学校薬剤師」がいるかもしれません。ほとんどの生徒は知らないのですが、実は法律で定められた存在です。
学校保健安全法により、全国の幼稚園・小学校・中学校・高校など(大学を除く)に学校薬剤師を1名以上置くことが義務付けられています。
学校薬剤師の仕事内容
① 教室の空気検査 二酸化炭素濃度・ホルムアルデヒドなどを測定し、学習環境の安全を確認します。
② プールの水質検査・衛生管理 プールの水質が基準を満たしているか定期的に検査します。
③ 水道水の検査 学校の水が安全に飲めるか確認します。
④ 給食施設の管理 給食室の衛生環境が適切かチェックします。
学校薬剤師の大切さ
子どもたちが毎日過ごす学校環境の衛生管理は非常に重要です。「なんとなく体が重い」「集中できない」という症状が、実は教室の空気質の問題だったというケースもあります。
学校薬剤師は「薬を扱う」仕事ではありませんが、子どもたちの健康を守るという意味で大切な役割を果たしています。
在宅薬剤師・学校薬剤師に共通すること
この2つの仕事に共通するのは「コミュニティの中で健康を守る」という視点です。
病院や薬局では「来院した患者さん」しか対応できません。でも在宅薬剤師は「来られない人のところへ行き」、学校薬剤師は「病気になる前の環境を守る」という予防的な役割を担っています。
これからの医療は「治療型」から「予防型」「地域支援型」へシフトしていきます。在宅薬剤師・学校薬剤師はその最前線にいる存在です。
まとめ
在宅医療薬剤師
- 通院困難な高齢者・患者さんの自宅を訪問する
- 服薬・薬剤管理の指導・多職種連携
- 高齢化社会で今後ますます重要な職種
学校薬剤師
- 法律で全校に1名以上置くことが義務
- 教室の空気検査・プール水質検査・水道水検査・給食施設管理
- 子どもたちの学習環境の安全を守る
次回は製薬会社・研究機関で働く薬剤師を紹介します。
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