「ちゃんと説明したのに伝わらない」と感じたことはありませんか?
患者さんに丁寧に説明したつもりなのに、あとで「聞いていません」と言われた。
医師へ提案したが、うまく意図が伝わらなかった。
新人指導で、一生懸命伝えても響いていない気がする。
講演会で話したけれど、「なんとなく盛り上がらなかった」と感じる。
医療現場では専門知識が重要ですが、それ以上に「伝える力」が必要になる場面があります。
そんな中、私が気になったのが、鴨頭嘉人さんの「話し方の学校」です。
今回は、公開情報などをもとに、「どのようなことが学べそうか」、そして「病院薬剤師としてどう活かせそうか」を整理してみたいと思います。
※本記事は公開情報や受講者発信等をもとに整理した内容であり、講座内容の完全再現ではありません。
「話し方の学校」とは?
「話し方の学校」は、講演家・YouTuberとして活動されている鴨頭嘉人さんが展開するコミュニケーション講座です。
単なる「上手に話すテクニック」ではなく、
「相手に伝わる」
「人が動く」
「相手との信頼関係を築く」
というコミュニケーションを重視している印象があります。
特に、
- 相手目線
- 聴く力
- 感情が伝わる話し方
- 人前でのスピーチ
- 承認(相手を認める)
- 自己表現
などが軸になっているようです。
これらは、実は医療現場とかなり相性が良いテーマではないかと感じます。
① 相手目線で話す|患者説明で最も重要
医療者はつい「正確に説明する」ことに集中しがちです。
しかし患者さんが求めているのは、必ずしも専門的に正確な説明だけではありません。
「自分に関係ある話として理解できるか」
が重要です。
例えば糖尿病指導。
【医療者目線】
「HbA1cが高いですね」
【患者目線】
「今の状態が続くと、将来しびれや目の病気につながる可能性があります」
後者の方が、“自分ごと”として理解しやすくなります。
これは薬剤指導でも非常に重要です。
“正しい説明”だけでなく、“相手に伝わる説明”が必要なのだと思います。
② 聴く力|実は話し方以上に重要かもしれない
「話し方の学校」という名前ですが、実は“聴く力”も重要テーマだと言われています。
医療現場でも、
「患者さんが何を心配しているか」
を聴けているかどうかで、関係性は大きく変わります。
たとえば、
「薬を飲み忘れないでください」
と伝える前に、
「何か飲みにくい理由ありますか?」
と聞く。
すると、
「副作用が怖くて…」
「仕事中に飲めなくて…」
という本音が出てくることがあります。
つまり、“伝える”前に“聴く”。
これが結果的に良いコミュニケーションにつながるのだと思います。
③ 感情が伝わる話し方|講演・院内教育で差が出る
私は院内講義や市民講演を担当する機会がありますが、感じることがあります。
「正しい内容だけでは、人は動かない」
ということです。
スライドが良くても、内容が正しくても、
声の抑揚
表情
熱量
間(ま)
で伝わり方が変わります。
例えば帯状疱疹ワクチン講演。
数字だけ並べるより、
「実際に帯状疱疹後神経痛で苦しまれる患者さんを見てきました」
というストーリーが入ると、伝わり方は変わります。
知識だけではなく、「感情が伝わる話し方」も重要なのだと感じます。
④ 承認する力|心理的安全性にもつながる
個人的に最も医療現場に重要だと思ったのが「承認」です。
新人教育でも、
×「なんでできないの?」
ではなく、
○「確認して動こうとしていたのは良かったね」
と、まず認める。
すると相談しやすくなります。
これは心理的安全性にもつながります。
“安心して話せる職場”は、ただ優しいだけではありません。
「自分の発言を受け止めてもらえる」
という安心感があります。
コミュニケーションは、話す技術だけではなく、相手を認める姿勢も重要なのだと思います。
⑤ 病院薬剤師にこそ「話す力」が必要
病院薬剤師の仕事は、
「薬を出す仕事」
だけではありません。
- 患者説明
- 医師への処方提案
- 多職種連携
- 後輩指導
- 学会発表
- 市民講演
- 医療安全活動
など、“話す仕事”が非常に多い職種です。
知識量だけで差がつく時代ではなく、
「どう伝えるか」
がますます重要になるのではないでしょうか。
まとめ|話し方は才能ではなくスキル
「話すのが得意な人は才能がある」
そう思っていました。
しかし、話し方は“センス”だけではなく、“技術”として学べる部分が多いように感じます。
医療現場では、正しさだけでは人は動きません。
相手に伝わり、安心感を与え、行動につながるコミュニケーション。
それがこれからの医療者に求められる力なのかもしれません。
皆さんも一度、自分の「話し方」を見直してみませんか?