病院薬剤師 田浦マインド YOU TUBEチャンネル
よくこむらがえりが起こりますが、よい薬はありますか!?
今回は、『こむら返り』についての話です。
こむらがえりは、妊婦が体重が増えたためふくらはぎが突然つる、プールで泳いでいて足がつる、寝ていたら膝から下の筋肉が異常に硬くなり足が吊って痛くて目が覚めるなどいろいろな場面で起こります。ちなみにぼくはお酒を飲み過ぎた夜寝ていたら、足を吊ります。
こむらがえり、筋肉の持続的な収縮によるけいれんは、なぜ起こるのか医学的に正確にはまだ解明されていませんが、筋肉は栄養障害や疲労の蓄積でけいれんを起こしやすくなることは経験的にわかっています。
水泳中には、体温より低い水中で、筋肉は体温を保持するために緊張を高めて熱を産生しますが、低い水温のため血管が収縮し、血流量が不足した状態で緊張が続くので、必要な酸素や糖質、アミノ酸の供給が不足し、乳酸、炭酸ガス、ケトン体などの疲労物質が蓄積し、けいれんを起こしやすくなります。
また、就寝中のけいれんは、前日の活動による疲労物質が血流の低下により同じ様に蓄積して、栄養などの補給も減るのが原因と考えられています。
このように、ふだんは筋肉の収縮やけいれんが起きないように、抑えているシステムの働きが何らかの原因で低下したために、こむらがえりは起こるようです。過剰な発汗、下痢、嘔吐、妊娠、利尿剤の服用などで体内の電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど)のバランスが乱れても起きやすくなります。またアミノ酸の代謝異常などが関与している可能性も指摘されています。
予防法としては、疲労を残さない、適度な運動で筋肉を動かし血行をよくする、入浴により十分温める、ビタミンEを服用して血行をよくするなどがあります。
治療としては、漢方薬の芍薬甘草湯が有効ですが、1日に何度もこむらがえりを起こすような重症の場合は筋弛緩薬(筋肉の緊張を緩める薬)、抗てんかん・けいれん薬、カリウム剤などが使われます。また、処方されている薬の影響でカリウムが不足する場合は、カリウムの不足を補う働きのある薬を併用して症状を改善します。
こむらがえりは、身体の中の神経や筋肉に関わる調節機能が変化してきた警告として起こる反応として捉えて、ふだんの生活を見直すことも大切です。
ぼくは、飲み過ぎ注意ですね(笑)
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