2020年4月4日土曜日

■えっ!! ステロイド塗ったら、皮膚が黒くなるの!?


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ステロイド成分の塗り薬を患者さんにお渡しした時にあったやりとりです。

『こちらは、炎症を抑える成分が入った塗り薬です。』

『えっこれもしかしてステロイド!?ステロイド塗ったら、皮膚黒くなるんやろ。使うん嫌やわ。』

『はぁ・・・。』

というやりとりがありました。

『ステロイド成分が入っている塗り薬を塗ったら、皮膚が黒くなるよ。』という噂が、ちまたでは都市伝説として浸透しているようです。

皮膚が黒くなるのは、ステロイド外用剤を塗ったせいではありません。

ステロイド外用剤を塗ると治った後も皮膚が黒くなるのは誤解です。

湿疹・皮膚炎の治ったあとが黒くなる(色がつく)のは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着(炎症後色素沈着)が原因です。

湿疹の程度が強いほど、長く放っておけばおくほど色素沈着も濃く残ります。

ステロイドを塗ったからではありません。

逆にステロイドでしっかり初期の湿疹、炎症を治すことにより、炎症後の色素沈着を最小限にできます。

また、ステロイド外用剤を塗って日に当たると黒くなるというのも誤解です。

湿疹・皮膚炎の治った後が黒くなるのは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着です。

日光に当たると、紫外線による日焼け、色素増強作用が加味されて炎症後の色素沈着が一層強くなります。

ステロイド外用剤を塗ったからではありません。



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2020年4月2日木曜日

■妊婦へビタミンAの摂取はダメ!?


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 ビタミンAは皮膚や粘膜、目を健康に保つ効果があるビタミンで、妊娠中でも欠かせない栄養素です。
 
 しかし、水に溶けやすいという性質を持っているビタミンCなどはおしっこで排出されやすいんですが、ビタミンAは油に溶けやすいという性質を持っています。そのため過剰摂取は体内にビタミンAを蓄積してしまいます。 妊娠初期の妊婦が過剰摂取すると、胎児の先天奇形のリスクが高まるといわれます。 
 ビタミンAがなぜ妊婦に悪いの!?



 まずは、ビタミンAの働きを説明しましょう。ビタミンAの主な作用は、視覚作用と全身作用に分けられます。ビタミンAは、視覚調整に関与しているため、不足すると夜盲症という病気になります。夜盲症とは鳥目とも呼ばれていますが、暗さに目が慣れるのが遅くなり、暗いところで見えにくくなります。また、細胞が分裂したり、生物の正常な成長の促進作用や皮膚粘膜形成などにも関与しているため、不足すると皮膚の乾燥や発疹ができたり、粘膜の抵抗性が低下して感染症にかかりやすくなります。したがって、ビタミンAは体にとっては必要不可欠です。

 なぜ、ビタミンAが妊婦に悪いのでしょうか!?

 ビタミンAのもう1つの働きとして、人の骨組み、体つきの配置や形を決める遺伝子の制御に関与していると言われています。したがって、人の骨組みが作られていく時期である胎児期に、ビタミンAが過剰に存在すると、遺伝子の制御が乱れてしまい、骨の奇形を生じてしまいます。これがビタミンAによる催奇形性のメカニズムです。

 どれだけ摂取するとまずいのでしょうか!?

 ビタミンAの奇形発症率は、1日あたりの摂取量が1.5mg以上で1.3%、4.5mg以上で3.0%という報告があります。この量は、普通の食生活では、通常摂り得ない量なので特に心配する必要はありません。サプリメントなどにより、必要以上に摂らなければ大丈夫です。ちなみに、ビタミンAの所要量は成人において男性0.6mg女性0.54mgとなっています。

 妊娠初期(3ヶ月まで)の妊婦や妊娠の可能性のある女性は、ビタミンAの過剰摂取により、胎児に奇形が発症することがありますのでサプリメントなどは控えていただきたいと思います。また、病気等の治療によりビタミンAを服用中の方は、妊娠する前に必ず医師・薬剤師に相談してみてください。




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2020年3月31日火曜日

■口内炎に、種類があるのを知ってますか!?


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▼アフタ性口内炎

アフタとは、口腔内にできるごく浅い腫瘍のことをいいます。

腫瘍とは、一般に、体の表面や体の中にでき、かたまりとして触れたり、色が違っている部分があるなどのものを総称して呼ぶ言葉です。腫瘍には、良いものや悪いもの、生まれつきのものや生まれてからできるもの、平らなものや盛り上がってくるものなど、全てが含まれます。

よく、口内炎などで口の中が痛いときには、口腔内に腫瘍ができていることが痛みの原因です。

・原因は不明だが、過度のストレス・疲労の蓄積・睡眠不足・唾液不足・栄養不足・ビタミン不足などが誘因となり、それらの相乗した時、重なった時に起こりやすい。

2030代の若年層がなりやすい。

▼外傷性口内炎

・物理的な刺激が原因。口内を噛む、やけど、入れ歯の不具合など。

・子供や高齢者がなりやすい。

▼ヘルペス性口内炎

・単純ヘルペスウィルスの感染が原因。免疫力や抵抗力が低下した時にできやすい。

・1歳半〜6歳の乳幼児がなりやすい。

▼カンジダ性口内炎

・カンジダ菌が原因。免疫力や抵抗力が低下した時にできやすい。

・高齢者や糖尿病や腎不全など基礎疾患のある人がなりやすい。




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2020年3月30日月曜日

■『できると痛いっ!!』 口内炎を防ぐ生活習慣は!?


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『できると痛いっ!!』 口内炎を防ぐ生活習慣は!?

口内炎、ぼくほんとよくできてしまうんです!!

よくできるので、できる前の前触れを予知することができるようになりました。

≪口内炎なりやすさチェックシート:チェックの数が多いほど口内炎になりやすいといえます。≫

□口内をよく噛む

□睡眠時間が短い

□口が渇きやすい

□ストレスが溜まりやすい

□風邪をひきやすい

□糖尿病である

□入れ歯・矯正器具を使っている

□高齢である

≪口内炎を防ぐ生活習慣≫

①疲労を溜めない:睡眠を十分にとり、疲労を蓄積させない。

②ストレスを溜めない:気分転換の方法を身につけ、ストレスを発散する。

③口内を清潔に保つ:日常的に歯磨きやうがいをしっかり行う。歯を磨くときは、力を入れ過ぎて歯肉を傷つけないように。

④食生活を見直す:栄養バランスのよい食生活を心掛ける。

⑤唾液分泌を促す:口の中が渇いていると感じたら、ガムを噛むなどして唾液の分泌を促す。

⑥口内を傷つけない:免疫力が低下している時に口内を傷つけると、細菌が繁殖して炎症が起こりやすくなる。特に入れ歯や矯正器具が合わない時は、すぐに歯科受診を。

≪口内炎に有効な栄養素は≫

特にビタミンB群が口内炎の予防や改善に効果があると言われています。また、粘膜の潤いを保つビタミンAやウィルスや菌に対する免疫力を向上させるビタミンCも積極的に摂取するようにしましょう。これらはサプリメントで摂取が可能です。ぼくも食事のバランスが悪い時は、サプリメントを摂取して口内炎を予防しています。



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2020年3月29日日曜日

■漢方薬は、『食前』・『食後』・『食間』といつ飲んだらいいの!?


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漢方薬は、食前、食後、食間といつ飲んだらいいんだろうということについての考え方についてお話します。

ちなみに食前というのは食事の30分ぐらい前で、食間というのは食事を食べ終わって2時間後くらいを食間と言います。

漢方薬の基本的な服用方法は、13回、食前(食事の30分前)もしくは食間(食後2時間後)の服用が基本です。これは、空腹時の服用の方が吸収がよいと考えられるためです。もっとも、食後でも食物と混じることによって成分の吸収が遅くなるだけで、薬効が阻害されることはありません。患者さんの中には胃腸が弱く、空腹時の服用は胃に障る、もたれるという人がいると思いますので、その場合には食後の服用を勧めます。

 たとえ薬を飲み忘れた場合でも、西洋薬の場合はある程度時間を空けるか、もしくは1回服用をやめることが多いのですが、漢方薬では食前の服用を忘れたら、食後に服用していただいても問題ありません。決まった時間に服用することよりも、飲み忘れなく、毎日服用することの方が大切だと思います。

 ぼくの考え方ではありますが、基本は食前に服用していただいて、食前に飲み忘れしたことに気づいたら、食後服用するというのでいいと思います。




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