2026年7月23日木曜日

多職種連携でのタイプ別コミュニケーション:医師・看護師・管理栄養士への提案術【タイプ別コミュニケーションシリーズ⑪】

 「医師への処方提案がうまく通らない」「カンファレンスで意見を言いにくい」——多職種連携でのコミュニケーションの悩みも、タイプ別の視点で解決できます。


大前提:職種ではなく「個人」を見る

よくある誤解として「医師はコントローラー型だから…」「看護師はサポーター型だから…」と職種でひとくくりにしてしまうことがあります。

確かに職種による傾向はあります(私の主観では、医師はコントローラー型が多く、薬剤師はアナライザー型が多く、看護師はサポーター型が多い印象があります)。

しかし同じ職種でもタイプは全く異なります。「職種」ではなく「個人」を観察することが大前提です。


場面別・タイプ別のアプローチ

医師への処方提案

コントローラー型の医師へ 「★★先生、○○さんへの△△変更を提案します。理由はeGFR低下による腎毒性リスクです。いかがでしょうか?」

→ 単刀直入に結論から。理由は1〜2文で。選択肢があれば「AとBどちらがよいでしょうか」と決めてもらう。

アナライザー型の医師へ 「先生、○○さんの直近3ヶ月のeGFRの推移をお持ちしました。この推移だと△△の用量調整が必要かと思われます。添付文書の腎機能別投与量の表もあわせてお持ちしています」

→ データを持参して根拠を示す。先生自身が「納得して決めた」感を大切に。


看護師との情報共有

サポーター型の看護師へ 「いつもありがとうございます。○○さんの件で少し気になることがあって…○○看護師さんが見ていて、何か変化に気づいたことはありましたか?」

→ 感謝を先に伝え、相手の観察・感情面からの情報を引き出す。

コントローラー型の看護師へ 「○○さんの疼痛管理について、薬剤師として提案があります。3点お伝えします。①…②…③…」

→ 端的に要点をまとめて伝える。回りくどい前置き不要。


管理栄養士との連携

アナライザー型の管理栄養士へ 「HbA1cの推移と食事内容を照合すると、夕食の炭水化物量が血糖値に影響していると考えられます。栄養指導の観点から何かアドバイスをいただけますか?」

→ データと仮説を示してから意見を求める。

サポーター型の管理栄養士へ 「○○さん、最近食欲が落ちているみたいで、ちょっと心配で相談させてください。栄養面でも困っていることがあるかもしれなくて…」

→ 患者さんへの関心・心配を共有してから連携を深める。


カンファレンスでの発言

コントローラー型が多い場の発言 「○○さんについて3点報告します。①現在の投薬状況 ②懸念事項 ③提案です」 → 端的に・構造的に・行動提案で締める。

プロモーター型が多い場の発言 「○○さん、先週からとても頑張ってくれていて、チームとして取り組めば絶対良くなると思います!」 → ポジティブなトーン・チームとしての一体感を強調。


薬剤師から医師への提案:「控えめに伝える」テクニック

処方の問題点を伝える際、医師を責めるような言い方は避けましょう。

NG:「先生、この処方は問題があると思います」

OK:「実は…直近のeGFRが少し低下しているようで…用量について一度ご確認いただけると助かります…」

→ 控えめに・情報提供という形で伝えることで、医師が「自分で気づいた」という感覚で受け入れてもらいやすくなります。信頼関係ができている医師には少しずつ直接的にできるようになっていきます。


タイプが違うからこそ補い合えるチームになる

4つのタイプはそれぞれ異なる強みを持っています。

タイプチームへの貢献
コントローラー決断力・リーダーシップでチームを牽引
プロモーター場のエネルギー・モチベーションを上げる
サポーター関係性を維持し、誰も取り残さない
アナライザー正確なデータと分析で質を高める

お互いのタイプが分かれば、「あの人はあのタイプだから、こちらから合わせよう」という発想ができます。それが本当の意味での「チームワーク」です。


まとめ

  • 職種ではなく「個人」のタイプを観察する
  • コントローラー型の医師:結論→理由、単刀直入
  • アナライザー型の医師:データ・根拠を持参
  • サポーター型の看護師:感謝を先に・感情面から情報を引き出す
  • 処方提案は「控えめに情報提供」という形が受け入れられやすい
  • 4タイプが補い合うことで最強のチームになる

次回は総まとめ「明日から使える3つのポイント」です。


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