2006年10月9日月曜日

■漢方薬

【2006年10月9日】
☆漢方薬☆
 漢方薬とは、中国から伝わり、日本において独自の発展を遂げた伝統医学で、この医学体系のなかで使われる薬を漢方薬といいます。漢方薬は東洋医学の考えに基づいています。
一般に西洋医学に基づく西洋薬では効能を示す有効成分が発見されるとそれを単離したり合成する事によって得られます。この場合有効成分が単一なのですからその効能も限定されます。東洋医学に基づく漢方薬は数種類の生薬の組み合わせによって成り立っています。1つの生薬には、有効成分が1つではなく複数含まれていますので、複数の効能が考えられ、単独の有効成分からなる西洋薬のように効能が1つとは限りません。
少し東西の医学の違いを考えてみたいと思います。
西洋薬は病名に従って薬剤が選択されます。病名が複数になる場合には1つ1つの病名に対応した薬剤を選んできてその組み合わせをつくります。一般的に西洋薬は1つの薬剤に1つの有効成分なので併用することではじめて複合剤となります。
漢方薬は1つの処方が複数の生薬からなっており、初めから複合剤となります。ですので初めから複合剤である漢方薬の場合には、同じ病名に対応する処方がたくさんありその中から一番適当だと思われる生薬の組み合わせを持つ処方を選ぶという考えになります。
 よく風邪には葛根湯と言われますが、『風邪には、いつも葛根湯ではなく、小柴胡湯の時もあれば麻黄附子細辛湯の場合もある。』という理由はまさにそこにあると思います。
西洋医学を学んだものにとって診断といえば、病名であるということが当たり前のようなことになっています。ただ、それは西洋医学の約束事みたいなわけですが、東洋医学では、証〔ショウといい状態を表現した言葉〕であり、つまり東洋医学では状態を診断するのであって病名を診断するわけではないのです。
漢方薬を
①複数の有効成分からできている
②すでに組み合わされている生薬の組み合わせ
③もともと西洋医学の病名に対応してつくられたものではない
という3点から考えてみても単純に病名だけから処方を選ぶのは至難のことだと思います。

【特徴】
◇漢方薬は数種類の生薬を組み合わせた複合剤です。組み合わされる生薬の種類や配合量などはこれまでの経験に基づき確立されています。長い臨床経験を経て、副作用や毒性が少なくなるような生薬の組み合わせや用い方が工夫されてきました。そのために、正しい使い方をすれば一般に副作用は少なく、あっても軽くてすみます。
◇漢方薬は生薬の混合物であるために生薬どうしが互いに作用しあい、単独の生薬とは違った効果が見られます。また作用の仕方は一般的に穏やかだと考えられています。
◇従来は煎じて服用するのが一般的でしたが、現在では生薬のエキスを抽出し、顆粒や細粒や粉末や錠剤やカプセルなどにした漢方エキス製剤が多く使用されています。



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