「薬剤師になりたい!」と思ったとき、まず知りたいのが「どうやってなれるのか」ですよね。今回は薬剤師になるまでの道のりを、薬学部の選び方から国家試験まで詳しく解説します。
薬剤師になるための3ステップ
①薬学部(6年制課程)に入学・卒業する
②薬剤師国家試験に合格する
③薬剤師免許を取得する
この3ステップを踏めば、薬剤師になれます。
なぜ薬学部は「6年制」なのか
2006年度から薬剤師養成課程は4年制から6年制に変わりました。
理由は「臨床で活躍できる薬剤師を育てるためには、4年では足りない」と判断されたからです。患者さんへの服薬指導・チーム医療参加・薬物治療のモニタリングなど、現代の薬剤師に求められるスキルは医師に近いものがあります。
6年制と4年制の違い
薬学部には「6年制」と「4年制」があります。
6年制課程(薬剤師になれる) 例:薬学科、医療薬学科、漢方薬学科など
→ 薬剤師国家試験の受験資格が得られます。
4年制課程(研究者向け) 例:薬科学科、創薬科学科、生命薬科学科など
→ 薬剤師にはなれませんが、製薬会社や大学での研究者を目指せます。ただし研究者には修士号・博士号が必要なことが多いため、結局6年以上勉強することになります。
重要:2018年度以降の入学者は、6年制課程を修了した人だけが薬剤師国家試験を受験できます。
学士・修士・博士の違い
薬学の世界では「学位」という言葉がよく出てきます。
学士(Bachelor's degree) 大学(6年制薬学部含む)を卒業して得られる称号。一般的な「大卒」はここに当たります。6年制薬学部卒業者は「修士相当」として扱われることが多いです。
修士(Master's degree) 大学院の修士課程(2年)を修了して得られる学位。「マスター」とも呼ばれます。
博士(PhD / Doctor's degree) 大学院の博士課程(3年以上)を修了して得られる最高学位。「ドクター」とも。製薬会社の研究職や大学教授を目指す場合は博士号が求められることが多いです。
薬剤師国家試験の概要
試験は年1回、毎年2月に実施されます。
スケジュール:
- 1月上旬:願書提出
- 2月中旬:試験日
- 3月下旬:合格発表
試験の問題数と配点:
| 区分 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|
| 必須問題 | 90問 | 180点 |
| 一般問題(薬学理論) | 105問 | 210点 |
| 一般問題(薬学実践) | 150問 | 300点 |
| 合計 | 345問 | 690点 |
合格基準:
- 正答率が基準(平均点と標準偏差を使った相対基準)を上回ること
- 必須問題の全体正答率が70%以上、かつ各科目30%以上
- 禁忌肢問題の選択数が2問以下
過去5年間の合格率はおおむね正答率60%台で推移しています。
薬学部卒業後に取得できるその他の資格
薬学部を卒業するといくつかの資格が優遇されます。
薬学部卒業で試験・講習が免除される資格:
- 登録販売者(受験資格・実地経験の免除)
- 食品衛生管理者(試験なし・講習免除)
- 水道技術管理者(試験なし)
- 弁理士(選択科目の免除)
薬剤師免許で申請のみで取得できる資格:
- 衛生管理者(申請のみ)
- 毒物劇物取扱責任者(試験免除)
弁理士は「知的財産に関する専門家」で、特許の申請などに携わります。「弁護士」ではないので注意。
薬剤師になるまでの費用は?
国公立大学の薬学部(6年間):約350万円
私立大学の薬学部(6年間):約1,000万〜1,200万円
薬学部は理系の中でも学費が高い学部のひとつです。ただし薬剤師として就職すると安定した収入が得られ、国家資格として生涯使えます。
奨学金制度を活用する方も多く、病院によっては奨学金の返済支援制度があるところもあります。
まとめ
- 薬剤師になるには①6年制薬学部卒業→②国家試験合格→③免許取得
- 6年制(薬剤師養成)と4年制(研究者養成)があるので注意
- 国家試験は年1回・2月実施・345問
- 薬学部卒業後は複数の資格取得が優遇される
次回は薬剤師の具体的な仕事内容——調剤・服薬指導・薬歴管理を解説します。
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