こんにちは、田浦マインドです。
今回から「離島医療シリーズ」として、私が沖永良部島で薬剤師として働いた2年間の経験を連続でお届けします。
「離島勤務って実際どんな感じ?」 「病院薬剤師が離島で働くってどういうこと?」
そんな疑問をお持ちの方に、リアルな体験談をたっぷりお伝えします。
なぜ離島へ行ったのか
大学時代に『Dr.コトー診療所』というドラマを観ました。
離島で一人、あらゆる患者さんと向き合い続ける医師の姿に、胸が熱くなりました。
「困っている人の力になりたい」——この気持ちが私の中に芽生えたのは、あのドラマがきっかけだったと思います。
2009年、私は鹿児島徳洲会病院からの転勤という形で、奄美大島の南に浮かぶ小さな島・沖永良部島(人口約14,000人)の病院へ赴任しました。
沖永良部島ってどこ?
鹿児島県の離島で、奄美大島と沖縄本島の間に位置します。
船で鹿児島から約20時間、飛行機で約1時間の場所です。
島には徳洲会グループの沖永良部徳洲会病院(132床)があり、島唯一の病院として島民の医療を一手に担っています。
「島に一つの病院」——この事実が、離島医療のすべてを象徴しています。
離島のイメージと現実のギャップ
赴任前、離島の病院に対していろいろなイメージを持っていました。
- 紙カルテ?
- 検査機器は揃っているのか?
- 分包機や薬袋発行機などの設備はあるのか?
- 医薬品の種類は少ないのでは?
- 病棟業務なんてやっているのか?
- 都市部との医療格差はどれくらいある?
実際に行ってみると——想像以上の医療環境がありました。
徳洲会グループは「医療が離島で完結すること」を目指しており、CT・MRIはもちろん、手術設備も整えています。最新の医療機器を導入し、経験豊かな医師・医療スタッフを配置することで、「離島でも都会と同じレベルの医療を」という姿勢を貫いていました。
離島医療の最大の特徴:断れない
離島医療で最も印象に残っていることは、「救急患者を断らない」 という文化です。
都市部では2017年、救急搬送で3回以上受け入れを断られた件数が約32万件(5.7%)にのぼりました。
しかし離島では、救急車のたらい回しなど起こりません。24時間・365日、夜間でも休日でも年末年始でも、全ての患者さんを断らずに受け入れています。
正直に言えば——島に病院が一つしかないから、断れないのです。救急隊も迷わずまっすぐ向かってくる。
「少し考えさせて」とも言えない。
でも、これこそが医療の原点だと、今は心から思っています。
離島で感じた3つの魅力
2年間を振り返って、離島医療には3つの大きな魅力があると感じています。
① 人が温かい
最初は奥手だった島の人も、一緒にお酒を飲めばすぐに友達。飲みニケーションの原点を感じることができます。
② 患者さんと生涯付き合っていける
離島では「退院=ゴール」ではありません。お母さんのお腹の中にいる時から出会い、生まれ、入院し、退院後も外来・在宅医療でずっと関わり続ける。いつの間にか、家族の一員のような気持ちになっていました。
③ 広い視野で働ける
大きな病院では薬剤師業務の一部を担当しますが、離島では「病院全体・島全体」を見渡しながら仕事ができます。島民の信頼に応えなければという責任感が、自然と強くなっていきます。
まとめ
離島医療は、地域医療の原点です。
島全体がひとつの家族のような温かさがあり、医療従事者としての醍醐味がぎっしり詰まっていました。
次回は、離島ならではの「薬の管理の苦労話」をリアルにお届けします。
お楽しみに!
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