2026年6月8日月曜日

離島薬剤師は「なんでも屋」!幅広い業務がもたらした成長【離島医療シリーズ⑤】

 こんばんは、田浦マインドです。

離島医療シリーズ第5回は、離島薬剤師の「業務内容」と、そこから得られた大きな成長についてお伝えします。


離島では「全部自分でやる」

大きな病院では、薬剤師の業務は役割分担されています。

  • DI担当(薬の情報収集・提供)
  • 発注担当
  • 棚卸し担当
  • 注射調製担当
  • 病棟担当

それぞれの専門担当がいて、効率よく動く仕組みになっています。

しかし離島では違います。

幅広い業務を一人でこなさなければなりません。

麻薬の購入・廃棄・取扱い、薬品管理、基本発注、新規採用薬の検討、医薬品卸・メーカーとの交渉、病棟対応——これら全てが自分の仕事です。

大きな病院で2〜3年目では「まだ任されていない」ような業務も、離島では日常的に自分で判断しなければならない。

最初は不安でいっぱいでしたが、振り返ってみるとこれほど凝縮した薬剤師業務の経験はなかったと思っています。


「困ったらグループに相談する」文化

「全部自分でやる」とはいえ、孤独ではありませんでした。

診療報酬改定の資料作成、保健所の立ち入り調査、地方厚生局の監査——都市部の大病院でも大変なこれらの業務も、徳洲会グループの仲間が必ず助けてくれました。

グループ内での横のつながりが非常に強い組織なので、「これ、どうすればいい?」と連絡すれば、必ず誰かが助けの手を伸ばしてくれる。

この文化のおかげで、離島勤務を乗り越えることができたと思っています。


方言がわからない!でも大丈夫

離島業務でエピソードもうひとつ。

島のお年寄りの方と話すと、方言が全くわからないのです(笑)。

「え、今なんて言ったんだろう…」と困っていると、必ず近くにいる人が通訳しに来てくれました。

島の人の温かさを感じた瞬間のひとつです。


応援に行く時の注意点:はさみは没収される

これは後輩に絶対伝えたいことです。

飛行機で離島の病院に応援に行く際——調剤用のはさみを機内に持ち込まないでください!

持ち物検査で引っかかり、没収されます。

私自身、4回応援に行って2回没収されました(笑)。はさみがないと薬剤師業務に支障が出ます。必ず荷物と一緒に預けるか、郵送しましょう。


離島でも学会発表はできる

「離島にいるから学会発表なんてできない」と思っていませんか?

全く違います。

私は沖永良部島に勤務しながら、以下の発表・研究活動を行いました。

  • 第24回日本静脈経腸栄養学会 ポスター発表
  • 第19回日本医療薬学会 ポスター発表
  • 第7回鹿児島NST研究会 口頭発表
  • NST専門療法士(NST専門薬剤師)認定取得
  • 週刊薬事新報への原稿掲載

「大きな病院にいるから発表できる、小さな病院・離島にいるから発表できない、ということはない!」

これは今でも確信を持って言えることです。


医療薬学会での一言が、今の自分を作った

医療薬学会で発表した時のこと。

自分の発表を聞いてくださった薬剤師の先生から、こんな言葉をいただきました。

「先生は、若手薬剤師の見本ですね。いろいろなことにどんどん挑戦していってください。」

この言葉が今でも、私のモチベーションの源になっています。

離島という環境の中でも諦めずに挑戦し続けたことが、人との出会いにつながり、力をもらえた。

「やる気があれば、どこでも何でもできる!」

これが私の信念です。


まとめ

  • 離島では薬剤師業務の全てを幅広く担う「なんでも屋」になれる
  • グループの仲間が困った時は必ず助けてくれる
  • 方言がわからなくても、島の人が助けてくれる
  • 飛行機応援時ははさみ没収注意!
  • 離島でも学会発表・研究活動は十分できる
  • 挑戦し続けることが、人との出会いと成長につながる

次回は、離島医療の「退院後も続く患者さんとの関係」についてお話しします。


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