2026年6月3日水曜日

病院薬剤師が考える『話し方の学校』|医療現場で活きる「伝わる力」とは?

 

「ちゃんと説明したのに伝わらない」と感じたことはありませんか?

患者さんに丁寧に説明したつもりなのに、あとで「聞いていません」と言われた。

医師へ提案したが、うまく意図が伝わらなかった。

新人指導で、一生懸命伝えても響いていない気がする。

講演会で話したけれど、「なんとなく盛り上がらなかった」と感じる。

医療現場では専門知識が重要ですが、それ以上に「伝える力」が必要になる場面があります。

そんな中、私が気になったのが、鴨頭嘉人さんの「話し方の学校」です。

今回は、公開情報などをもとに、「どのようなことが学べそうか」、そして「病院薬剤師としてどう活かせそうか」を整理してみたいと思います。

※本記事は公開情報や受講者発信等をもとに整理した内容であり、講座内容の完全再現ではありません。

「話し方の学校」とは?

「話し方の学校」は、講演家・YouTuberとして活動されている鴨頭嘉人さんが展開するコミュニケーション講座です。

単なる「上手に話すテクニック」ではなく、

「相手に伝わる」
「人が動く」
「相手との信頼関係を築く」

というコミュニケーションを重視している印象があります。

特に、

  • 相手目線
  • 聴く力
  • 感情が伝わる話し方
  • 人前でのスピーチ
  • 承認(相手を認める)
  • 自己表現

などが軸になっているようです。

これらは、実は医療現場とかなり相性が良いテーマではないかと感じます。

① 相手目線で話す|患者説明で最も重要

医療者はつい「正確に説明する」ことに集中しがちです。

しかし患者さんが求めているのは、必ずしも専門的に正確な説明だけではありません。

「自分に関係ある話として理解できるか」

が重要です。

例えば糖尿病指導。

【医療者目線】

「HbA1cが高いですね」

【患者目線】

「今の状態が続くと、将来しびれや目の病気につながる可能性があります」

後者の方が、“自分ごと”として理解しやすくなります。

これは薬剤指導でも非常に重要です。

“正しい説明”だけでなく、“相手に伝わる説明”が必要なのだと思います。

② 聴く力|実は話し方以上に重要かもしれない

「話し方の学校」という名前ですが、実は“聴く力”も重要テーマだと言われています。

医療現場でも、

「患者さんが何を心配しているか」

を聴けているかどうかで、関係性は大きく変わります。

たとえば、

「薬を飲み忘れないでください」

と伝える前に、

「何か飲みにくい理由ありますか?」

と聞く。

すると、

「副作用が怖くて…」
「仕事中に飲めなくて…」

という本音が出てくることがあります。

つまり、“伝える”前に“聴く”。

これが結果的に良いコミュニケーションにつながるのだと思います。

③ 感情が伝わる話し方|講演・院内教育で差が出る

私は院内講義や市民講演を担当する機会がありますが、感じることがあります。

「正しい内容だけでは、人は動かない」

ということです。

スライドが良くても、内容が正しくても、

声の抑揚
表情
熱量
間(ま)

で伝わり方が変わります。

例えば帯状疱疹ワクチン講演。

数字だけ並べるより、

「実際に帯状疱疹後神経痛で苦しまれる患者さんを見てきました」

というストーリーが入ると、伝わり方は変わります。

知識だけではなく、「感情が伝わる話し方」も重要なのだと感じます。

④ 承認する力|心理的安全性にもつながる

個人的に最も医療現場に重要だと思ったのが「承認」です。

新人教育でも、

×「なんでできないの?」

ではなく、

○「確認して動こうとしていたのは良かったね」

と、まず認める。

すると相談しやすくなります。

これは心理的安全性にもつながります。

“安心して話せる職場”は、ただ優しいだけではありません。

「自分の発言を受け止めてもらえる」

という安心感があります。

コミュニケーションは、話す技術だけではなく、相手を認める姿勢も重要なのだと思います。

⑤ 病院薬剤師にこそ「話す力」が必要

病院薬剤師の仕事は、

「薬を出す仕事」

だけではありません。

  • 患者説明
  • 医師への処方提案
  • 多職種連携
  • 後輩指導
  • 学会発表
  • 市民講演
  • 医療安全活動

など、“話す仕事”が非常に多い職種です。

知識量だけで差がつく時代ではなく、

「どう伝えるか」

がますます重要になるのではないでしょうか。

まとめ|話し方は才能ではなくスキル

「話すのが得意な人は才能がある」

そう思っていました。

しかし、話し方は“センス”だけではなく、“技術”として学べる部分が多いように感じます。

医療現場では、正しさだけでは人は動きません。

相手に伝わり、安心感を与え、行動につながるコミュニケーション。

それがこれからの医療者に求められる力なのかもしれません。

皆さんも一度、自分の「話し方」を見直してみませんか?

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