2026年6月10日水曜日

徳洲会グループが離島医療を支える仕組み【離島医療シリーズ⑦】

 こんばんは、田浦マインドです。

離島医療シリーズ第7回は、私が所属していた徳洲会グループが離島医療をどのように支えているかについてお伝えします。

「なぜ離島でもあれほどの医療ができるのか?」——その裏側に迫ります。


徳洲会グループの創設者と離島の深いつながり

徳洲会グループの創設者・徳田虎雄先生は、鹿児島県の離島・徳之島のご出身です。

先生が小学3年生の時、3歳の弟が夜中に医師に診てもらえず亡くなりました。

この経験から「貧乏でも、たとえ真夜中でも、患者さんを診る医師になる」と決心し、医師になり徳洲会グループを創設されました。

「徳洲」という言葉自体が「徳之島」を指す言葉でもあります。

離島医療への強いこだわりは、グループの原点そのものです。


全国92病院の中に離島・僻地20病院

徳洲会グループは全国に92病院を展開しています。

そのうち離島11病院・僻地9病院、合わせて20の離島・僻地病院があります。

屋久島・種子島・徳之島・沖永良部・与論・宮古島・石垣島など、鹿児島〜沖縄にかけての離島に多くの病院が点在しています。


毎月40名の薬剤師が応援に行く

薬剤師が充足していない離島・僻地の病院には、グループ内から応援薬剤師を定期的に派遣する仕組みがあります(原則2ヶ月交代)。

その規模は——毎月約40名。

  • 2022年度:22病院・40枠・12,810日

これだけの人数が継続的に応援に行くことで、離島の医療が成り立っています。

「僻地・離島医療は、徳洲会の大きな使命」——この言葉は、数字が証明しています。


「徳洲号」というセスナ機がある

徳洲会グループには**「徳洲号」**と呼ばれる6人乗りのセスナ機があります。

離島の各病院が維持コストを分担して所有するこのセスナは、主に救急患者の移送や定期便欠航時の医師移動に活躍しています。


2つの離島運営方式の違い

離島医療の運営方式には大きく2つのアプローチがあります。

①A方式:「初期治療して本土へ送る」

  • 手術設備なし、CT程度の設備
  • 重症患者はすぐに内地の病院へ搬送
  • 医師確保がしやすい

ただし患者さんは「内地に行ってください」と言われ続け、経済的・精神的負担が大きい。悪天候時には搬送できず、命の危機になることも。

②徳洲会方式:「医療を島で完結させる」

  • CT・MRI・手術設備を整備
  • できる限り島内で治療を完結させる
  • 必要最小限の患者だけ島外搬送

患者さんが島を離れる必要がなく、安心して暮らせる。ただし医師の確保が難しく、高いスキルが求められる。

島民にとってはもちろん「島で医療が完結する」方式の方が安心できます。徳洲会はこの難しい道を選んでいます。


連携の強さが離島医療を救う

私自身、離島勤務中に何度も「グループの仲間に助けられた」と感じました。

わからないことがあれば他のグループ病院に相談できる。書類作成や監査対応も仲間がサポートしてくれる。

「困った時は助け合う」——このグループ文化があったからこそ、離島でも安心して挑戦できました。


まとめ

  • 徳洲会グループの創設者・徳田虎雄先生自身が離島出身
  • 全国92病院のうち20病院が離島・僻地
  • 毎月約40名の薬剤師が応援に行く仕組みがある
  • 「医療が島で完結する」方式を目指すのが徳洲会の理念
  • グループの横のつながりが離島勤務を支えている

次回は、離島勤務を経て熊本地震の災害医療支援に参加した経験についてお伝えします。


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