こんばんは、田浦マインドです。
離島医療シリーズ第4回は、離島薬剤師の「悩みと閉塞感」について正直にお話しします。
良いことばかりではありません。離島勤務のリアルな辛さも、包み隠さずお伝えします。
離島薬剤師の悩み【交通・情報編】
交通機関が天候に左右される
船も飛行機も、悪天候で欠航します。「今日帰れるかな」「薬は届くかな」という不安は、都市部ではほぼ経験しないものです。
情報量が少ない
離島は本土に比べて、どうしても情報量が少なくなります。最新の医薬品情報、学会発表、研究会——情報を得るために本土に出ていかなければならない機会が多い。
学会・勉強会に参加しにくい
離島から学会に行くには、前泊・後泊が必要になることも多く、移動だけで1〜2日かかります。「勉強したいのに、なかなか行けない」という葛藤がありました。
薬がすぐに手に入らない
前回お話しした通りです。救急で必要な薬が手元にない——この緊張感は離島にいる間、ずっとありました。
離島薬剤師の悩み【精神的・環境編】
モチベーションが続きにくい
人員が少なく、業務の幅も限られてくると、「自分は成長しているのか」という不安が湧いてきます。
閉塞感がある
これが一番きつかったかもしれません。
「島から出られない。この生活が一生続くのかという」という気持ち。
特に長く離島に勤務していると、「都会の病院に戻れないんじゃないか」「オーダリングシステムや電子カルテから遠ざかっていく」という焦りがありました。
特診が週末に多い
離島では、専門医が定期的に来島して診察する「特診(特別診療)」という形態があります。これが週末に集中しがちなため、休みを取りにくい状況が続きました。
Dr.コトーのモデルの先生も言っていた
鹿児島県下甑島で30年間離島医療を支えた、Dr.コトーのモデルとなった先生がこんな言葉を残しています。
「半年のつもりが、もう半年、もう半年と延びていく中で、自分はこのままここで終わってしまうのではないかという気持ちを抑えることが一番つらかった。それでも、これもやろう、あれもやろうと自分の挑戦を続けたことが自分を支えてきました」
——これは薬剤師である私自身の気持ちとも、完全に重なります。
自分が経験した閉塞感
沖永良部病院から山川病院(僻地の病院)に転勤した時のことです。
「常勤薬剤師がいなくなるから、半年だけ来てほしい」という約束で転勤しました。
しかしその約束をした事務長は栄転され、「半年でいい」という話を知っている人はもうどこにもいない——。
「関西にいつ帰れるんだろう…」
「半年のつもりがもう半年もう半年と延びていく中で、このまま都会に戻れないんじゃないかという気持ちがツラかった。それでも、みんなで勉強会や研修会を企画しよう、臨床研究もやろう、薬剤師を探しに就職説明会にも行こう、と自分の挑戦を続けたことが自分を支えてきたと思っています。」
これが、私の正直な気持ちでした。
それでも離島に行って良かった
辛いことをたくさん書きましたが、それでも——離島に行って、本当に良かったと思っています。
- 自分で考えて動く力がついた
- 全国から来た医師・研修医・看護師・薬剤師の仲間ができた
- 臨床の現場を幅広く経験できた
- 不便な状況下での工夫と柔軟な思考が身についた
この2年間が、今の自分の薬剤師としての土台になっています。
まとめ
- 交通・情報・薬の入手困難など、環境的な悩みは多い
- 「島から出られない」閉塞感は、長期勤務になるほど重くなる
- しかし、その中で「それでも前に進もう」と選んだことが成長につながった
- 辛い経験があるからこそ、今の自分がある
次回は、離島での「幅広い業務経験」と、それが薬剤師としての成長にどうつながったかをお話しします。
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