こんばんは、田浦マインドです。
SOAPの中で「S(主観的情報)」は患者さんの生の声を記録する部分です。一見シンプルですが、実は書き方を間違えると、あとで大変なことになります。今回はSの書き方を徹底解説します。
Sとは何か
S(Subjective:主観的情報)とは、患者さんや家族から直接聞き取った情報です。
患者さんが「感じている」「言っている」ことを記録します。薬剤師の解釈や判断は一切含めません。
Sに記載すべき7つの項目
- 体調・症状に関する訴え(「頭が痛い」「眠れない」など)
- 薬の効果実感(「飲んでから痛みが楽になった」など)
- 副作用と思われる症状(「胃がムカムカする」など)
- 服薬状況(「週に2〜3回飲み忘れる」など)
- 生活習慣の変化(「最近食欲がない」「運動を始めた」など)
- 市販薬・健康食品の使用状況
- 患者さんの不安や疑問(「この薬をずっと飲み続けても大丈夫?」など)
効果的な情報収集のコツ
オープンクエスチョンから始める
「最近のお体の調子はいかがですか?」 「お薬を飲んでみてどうでしたか?」
まず広く聞いて、患者さんが話しやすい環境を作ります。
クローズドクエスチョンで詳細を確認
「頭痛は毎日ありますか?」 「痛みは何時頃発生しますか?」
具体的な情報を引き出すために使います。
症状を具体的に聞き出す
- いつから(When)
- どこが(Where)
- どのように(How)
- どのくらい(How much)
の4点を意識すると、漏れのない情報収集ができます。
Sの記載例(良い例)
S:「ロキソニンを飲むと胃が痛くなる」と訴えあり。
痛みは服用後30分程度で発生し、1〜2時間持続するとのこと。
食後に服用しても同様に発生。先週から市販の整腸剤も服用しているが改善なし。
「胃薬も処方してもらえないか」と希望あり。患者の言葉をできるだけそのまま引用し、具体的な状況がわかるように記録されています。
よくあるNG例と修正例
NG例①:曖昧な記録
S:体調良好。→ 「体調良好」では何も情報がありません。患者が本当にそう言ったのか、薬剤師がそう判断したのかも不明。次回に活かせる情報がゼロです。
修正例:
S:「先月から続いていた肩こりが良くなってきた」と自己申告あり。
痛みの程度は10段階で8→4に改善。NG例②:薬剤師の解釈を混ぜてしまう
S:患者は、発現している眠気が副作用であると訴えた。→「副作用」と断定しているのは患者ではなく薬剤師の解釈です。Sには患者の言葉そのままを書きます。
修正例:
S:「最近昼間に眠くなることが多い」と本人訴え。副作用かどうかの判断はAで行います。
NG例③:漠然とした記録
S:飲み忘れあり。→ どのくらい飲み忘れたのか、なぜ飲み忘れるのかが全く不明。
修正例:
S:「週に2〜3回飲み忘れる」と本人談。
朝の忙しい時間帯に忘れやすいとのこと。「どのくらい・いつ・なぜ」を具体的に記録することで、次の指導内容が変わります。
高齢者・認知症患者への注意点
高齢者や認知症患者は正確に症状を伝えられないことが多いです。
このような場合は、家族・介護者からの情報収集、近隣薬局への照会を積極的に行い、「家族から聴取」「介護記録より」などと情報源を明記しましょう。
セルフチェックリスト(S)
薬歴を書いたら、以下を確認してください。
- □ 患者の発言を「そのまま」記録しているか
- □ 「問題なし」など曖昧な表現で終わっていないか
- □ 症状・不安・希望・生活習慣などが具体的に書かれているか
- □ 薬剤師の評価・解釈が混ざっていないか
まとめ
- Sは患者の言葉をそのまま記録する欄。薬剤師の解釈を混ぜない
- 「体調良好」「問題なし」などの曖昧表現は避ける
- 症状はいつ・どこで・どのように・どのくらいを具体的に
- 高齢者は家族や介護者からの情報収集も積極的に活用する
次回はO(客観的情報)の書き方を解説します。
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