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BCGワクチンが新型コロナウィルスに有効ではないかという見解が広がっています。
BCGワクチンは結核のワクチンです。結核のワクチンだけど、獲得した免疫が白血球を刺激してコロナなどの無関係なウイルスが感染したり、がん細胞ができても、しっかり戦えるような体にしてくれるかもという説です。
具体的には、小さい時にBCGワクチン接種してたかどうかが、各国の患者数や重症数に関与しているのではないかという仮説が立てられています。
ヨーロッパでみてみると、BCGワクチンの全例接種を1981年に廃止したスペインでは死亡率が高いが、スペインから隣の国であるなんですけど、BCGワクチンの接種を実施しているポルトガルでは死亡者数が少ないというデータが出てきています。
この二国に限らず、BCGワクチンの実施国ではコロナウイルス感染症の影響が少ないことから、BCGワクチンがコロナウイルス感染者数に予防的に働くことが考えられています。
既にBCGの効果を検証する臨床試験が始まっています。
オーストラリアでは医療スタッフを対象に、BCGワクチン接種とコロナウイルス感染症の重症化率を調べる試験が始まったそうです。
オランダでも医療スタッフを対象に臨床試験が始まっているそうです。
これを受けて、一般に新型コロナウイルス感染症による重症化のリスクが高く、BCGワクチンの接種歴がない世代の方々より、接種を希望する声が医療機関に届き始めているようです。
ぼくが働いている病院でも問い合わせがちょこちょく受けています。
現時点ではBCGワクチンがコロナウイルス感染症に有効という根拠はありません。
あくまでBCGワクチン接種率とコロナウイルス感染症の感染率や致死率に相関がありそうというお話です。
相関関係もきちんと検討されたわけではりませんし、もちろん因果関係は証明されていません。
新型コロナウィルス感染症COVID-19に対するBCGワクチンの効果に関する4月3日に示された日本ワクチン学会による見解をお伝えします。
①「新型コロナウイルスによる感染症に対してBCGワクチンが有効ではないか」という仮説は、いまだその真偽が科学的に確認されたものではなく、現時点では否定も肯定も、もちろん推奨もされない。
②BCGワクチン接種の効能・効果は「結核予防」であり、新型コロナウイルス感染症の発症および重症化の予防を目的とはしていない。また、主たる対象は乳幼児であり、高齢者への接種に関わる知見は十分とは言えない。
③念頭に置いていただきたいのは、各国ではBCGワクチンは、乳幼児用にのみ作られている貴重な生物学的資源であり、急に大量生産ができるものではないことです
従って、BCGワクチンが例え、新型コロナウィルス死亡率抑制効果があるのが真実であったとしても、日本が現在持つ有限の量のBCGのことを考えると、新型コロナウイルス予防に転用するのは無理だろうと思われます。
つまり、感染を恐れる一般人の接種希望者が続出した場合に、どんどん接種を受けられるような状況ではないのです。
本来の適応と対象にそぐわない接種が増えてしまった結果、定期接種としての乳児へのBCGワクチンの安定供給が影響を受ける事態は避けなければならない。
現在は、他の治療薬やワクチンや免疫を強くする薬の開発・研究が行われています。
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