2020年4月2日木曜日

■妊婦へビタミンAの摂取はダメ!?


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 ビタミンAは皮膚や粘膜、目を健康に保つ効果があるビタミンで、妊娠中でも欠かせない栄養素です。
 
 しかし、水に溶けやすいという性質を持っているビタミンCなどはおしっこで排出されやすいんですが、ビタミンAは油に溶けやすいという性質を持っています。そのため過剰摂取は体内にビタミンAを蓄積してしまいます。 妊娠初期の妊婦が過剰摂取すると、胎児の先天奇形のリスクが高まるといわれます。 
 ビタミンAがなぜ妊婦に悪いの!?



 まずは、ビタミンAの働きを説明しましょう。ビタミンAの主な作用は、視覚作用と全身作用に分けられます。ビタミンAは、視覚調整に関与しているため、不足すると夜盲症という病気になります。夜盲症とは鳥目とも呼ばれていますが、暗さに目が慣れるのが遅くなり、暗いところで見えにくくなります。また、細胞が分裂したり、生物の正常な成長の促進作用や皮膚粘膜形成などにも関与しているため、不足すると皮膚の乾燥や発疹ができたり、粘膜の抵抗性が低下して感染症にかかりやすくなります。したがって、ビタミンAは体にとっては必要不可欠です。

 なぜ、ビタミンAが妊婦に悪いのでしょうか!?

 ビタミンAのもう1つの働きとして、人の骨組み、体つきの配置や形を決める遺伝子の制御に関与していると言われています。したがって、人の骨組みが作られていく時期である胎児期に、ビタミンAが過剰に存在すると、遺伝子の制御が乱れてしまい、骨の奇形を生じてしまいます。これがビタミンAによる催奇形性のメカニズムです。

 どれだけ摂取するとまずいのでしょうか!?

 ビタミンAの奇形発症率は、1日あたりの摂取量が1.5mg以上で1.3%、4.5mg以上で3.0%という報告があります。この量は、普通の食生活では、通常摂り得ない量なので特に心配する必要はありません。サプリメントなどにより、必要以上に摂らなければ大丈夫です。ちなみに、ビタミンAの所要量は成人において男性0.6mg女性0.54mgとなっています。

 妊娠初期(3ヶ月まで)の妊婦や妊娠の可能性のある女性は、ビタミンAの過剰摂取により、胎児に奇形が発症することがありますのでサプリメントなどは控えていただきたいと思います。また、病気等の治療によりビタミンAを服用中の方は、妊娠する前に必ず医師・薬剤師に相談してみてください。




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