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ステロイド成分の塗り薬を患者さんにお渡しした時にあったやりとりです。
『こちらは、炎症を抑える成分が入った塗り薬です。』
『えっこれもしかしてステロイド!?ステロイド塗ったら、皮膚黒くなるんやろ。使うん嫌やわ。』
『はぁ・・・。』
というやりとりがありました。
『ステロイド成分が入っている塗り薬を塗ったら、皮膚が黒くなるよ。』という噂が、ちまたでは都市伝説として浸透しているようです。
皮膚が黒くなるのは、ステロイド外用剤を塗ったせいではありません。
ステロイド外用剤を塗ると治った後も皮膚が黒くなるのは誤解です。
湿疹・皮膚炎の治ったあとが黒くなる(色がつく)のは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着(炎症後色素沈着)が原因です。
湿疹の程度が強いほど、長く放っておけばおくほど色素沈着も濃く残ります。
ステロイドを塗ったからではありません。
逆にステロイドでしっかり初期の湿疹、炎症を治すことにより、炎症後の色素沈着を最小限にできます。
また、ステロイド外用剤を塗って日に当たると黒くなるというのも誤解です。
湿疹・皮膚炎の治った後が黒くなるのは、湿疹の炎症がおさまったあとの色素沈着です。
日光に当たると、紫外線による日焼け、色素増強作用が加味されて炎症後の色素沈着が一層強くなります。
ステロイド外用剤を塗ったからではありません。
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