2020年4月16日木曜日

■その手指消毒液では、コロナを除去できないかもしれません!?


病院薬剤師 田浦マインド YOU TUBEチャンネル



『その手指用アルコール消毒液は、ほんとに効く濃度なの!?』

『その消毒液では、コロナウィルスを除去できていないかもしれません!!』

新型コロナウイルス感染拡大の影響で需要が高まっている手指用アルコール消毒液についてお話します。大手の消毒液メーカーは増産中とのことですが、いろんなお店を見ても品切れの札が掲げられている店舗が多いのではないでしょうか。かと思えば、通販サイトを検索してみると、大手メーカー以外のメーカーが手掛けている商品もみつかるのではないでしょうか。新型コロナ感染症の流行で、新規メーカーさんの参入もでているようです。

では、一体何を基準にどんな商品を選べばいいのかということについてお話します。

 コロナウイルスを含めウイルスや細菌の除去にアルコールは効果があるとされていますが、肝心なのは含まれている濃度なんです。アルコール消毒液の効果について、最も適しているとされるアルコール濃度は7080%程度です。100%近いものであれば、消毒・除菌効果は強くあるものの、揮発性が高い。つまり液体が蒸発しやすい性質のため、ウイルスを除去する前にアルコールが蒸発してなくなってしまう可能性があるんです。逆に濃度が下がると「それだけ効果は下がってくると考えられます。

厚生労働省のホームページの「新型コロナウイルスに関するQA」の中で、「70%のアルコール消毒などで感染力を失うこと表記されています。

 実際に売られている商品を調べてみました。

大手メーカーの健栄製薬「手ピカジェル」(76.981.4vol%)、サラヤ「ハンドラボ 手指消毒スプレーVH」は(76.981.4vol%)と70~80%の範囲のアルコール濃度が表記されています。

ところが、よくみないといけないんですけど、量販店や通販で売られている一部の商品には濃度の記載がないものがあります。製造販売元に問い合わせてみると商品のアルコール濃度は58%といった製品もありました。おそらく消毒用ではなく、化粧品などとして販売されていたのかもしれません。

アルコールが含まれている以上、感染防止に効果がないとは言い切れません。けど、感染リスクを下げる効果としては、濃度が明記されている商品に比べると、信憑性や効果が劣る可能性が高いです。

あと購入時には、濃度が載っていない時などは、それが『消毒用』なのか『洗浄用』なのかで濃度が違うこともあるので、注意しておいた方がよいかと思います。

先日、緊急事態宣言が発令され、各家庭や職場での新型コロナウイルスに対する危機感は間違いなく高まっていると思います。そうした中で、効果がよくわからない商品が今後、続々と登場してくる可能性があります。自分が求めている効果、消毒に使うのかとか洗浄用なのかとか、それにはどれぐらいの濃度がいいのか、商品の成分や効果が合っているかを確認しておいた方がいいと思います。

コロナウイルスや細菌などの除去に、最も適しているとされるアルコール濃度は7080%程度です。



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